本来、当機の機動能力に関しては、有人運用ではない…シミュレーション・データ上の性能…であれば、凄まじいまでの能力を誇る。
…だが、その当機本来の機動力に、如何に能力者と言えど操縦者自身が「生身の人間」である以上、「正常な状態」を保てるものではない。
そこで発案されたのが…
リンクさせた操縦者自身の「生体反応」と、これまでの「運用による技量/癖」と言った要素をAI/[
BRRES]が認識(
※2)する事で、「その時点で操縦者にとってベストな機体性能をリセッティング」すると言う、言わば「更新型プログラム・リミッター」を採用する事である。
※※2:特異な機動による「空間認識失調」や「G-LOC」と言った、操縦者の身体異常の兆候を
※※2:生体信号より感知し防止するリミッターを備え、生存率向上に貢献している。
これにより、どれほど優れた操縦者が扱った場合でも、実質、機体の性能限界を超える事は起こり得ない。
仮に、この「機体性能限界」を超える程の機動を起こした場合…
それは「=操縦者の身体異常発生」を意味する。
言うなれば、如何に卓抜した操縦技術を持つパイロットであろうと…どれほど「人間離れした機動」を実践しようとも、更に「それ以上の機体性能」を残しておく事で、操縦者への精神的不安を払拭しようと言うものである。
結果として、常に操縦者の能力限界域での運用が可能となり、その限界域ですら機体にとっては限界で有り得ない…と言う、オーバークオリティとも言えるメカニカル・パフォーマンスを実現するに至る。
以上のように「AIを介したサポートシステム」をメインにする機体制御を行う為に、一つの懸念も発生してくる。
それは…
「プログラムのクラッシュ」による機体制御不能である。
これに関しては…詳しい事をココで述べる訳にはいかないが…
『複数のバックアップを常に取っている』とだけ表記するに留めておく事とする。